井上 康弘 ‘71 電気
1988年5月、英国ロンドンで45日間富士通のFAX販売の技術支援のため長期出張しました。事務所はヒースロー空港の近くにあり、個人宅の朝食付きの宿に滞在し、レンタカーで通勤していました。この時期は、プリンセスダイアナ(1961-1997)が生存していて、ロンドンの街角では英国王室の写真を販売していましたが、特にダイアナ妃の写真は人気でした。休日には車であちこちに出かけました。あるときシェークスピアの生家Stratford-upon-Avonを訪問し、帰り道に城の印があったのでそこに立ち寄ることにしました。到着すると木々に囲まれた駐車場がありました。観光客と思われる人々が移動していたのでついて行き、小さな森を通り過ぎると、下り坂が芝生になり、三々五々に羊が見られました。建物の中に入ると見学受け付けがあり、カメラは持ち込めず、預けました。壁には羊毛を扱う日本の繊維業者の写真が掲示されていました。見学の途中で紅茶とスコーンを食べ、昼食としました。
出口でカメラの受け取りを待っていると、日本語で「日本の方ですか?」と声をかけられ、振り返ると黒のワンピースを着た背の高い気品のある老婦人が立っていました。「なぜ英国に来たのか」、「ロンドンをどう思うか」、「いつ日本に帰国するのか」など英語で質問され、少しの間話をしました。彼女の笑顔は、とてもチャーミングでした。退出時パンフレットを渡されましたが、この建物の日本語のアルソープ邸の紹介でした。彼女が、Lady Raine SpencerでPrincess Dianaの継母であったことを帰国後に知りました。貴重な体験でした。後年TV放送された時、悪女と紹介されていました。アルソープ邸の大規模改装などでダイアナを含む子どもたちの反発を買ったことも有名です。
しかしダイアナの離婚後、2人は和解し、晩年はむしろ親密な相談相手になったとされています。Raineは生涯で3度高貴な方と結婚しています。
第1夫:ジェラルド・レッグ(第9代ダートマス伯爵)
第2夫:ジョン・スペンサー(第8代スペンサー伯爵)※ダイアナの父
第3夫:ジャン=フランソワ・ド・シャンブラン(フランス貴族)